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Stanley and Us in DVD in Giappone

 

 


Stanley and Us
~20世紀の巨匠~
スタンリー・
キューブリック


   題名/20世紀の巨匠~スタンリー・キューブリック~
     (Stanley and Us)
 製作会社/フライング・パードレ・プロ
製作・監督/マウロ・ディ・フラヴィアーノ、フェデリコ・グレコ、
      ステファノ・ランディーニ
   協力/ファイサル・クレッシ
   撮影/ピエルフランチェスコ・カデドゥ、ニコラス・フラニク、
      パオロ・サンナ
撮影・音楽/マルコ・オミチーニ
   出演/ポール・ジョイス、アレグサンダー・ウォーカー、
      ミシェル・シマン、ケン・アダム、ジョン・ウォード、
      フレデリック・ラファエル、マイケル・ターン、
      マルコム・マクドウェル、フィリップ・ストーン、
      レオン・ヴィターリ、ヤン・ハーラン、
      ドミニク・ハーラン、
      クリスティアーヌ・キューブリック、
      ロベルト・ペディチーニ(ナレーター)
      ほか

●内容
なんとか本人に会ってインタビューしたいと奔走するスタッフの姿と、キューブリックの関係者のインタビューを織り交ぜた、イタリアのTV局製作のドキュメンタリー番組のDVD化。


便乗商売と言われても仕方のないお粗末な代物。

まあ、このテの商品はいつの時代でも何かにつけ登場するものだし、いちいち目くじらを立てたくもないのだが、それにしてもこれはひどい。

内容は、イタリアのTV局に勤めるスタッフが、キューブリックのインタビュー番組を作りたいと製作を始めるのだが、どうしてもアポが取れず、それではと他の関係者をインタビューしている内に、当のキューブリックが急逝してしまうという顛末を収めたドキュメンタリーだ。

インタビュー以外のシーンははっきり言ってスタッフの思い入ればかりが先行していて、(自分たちでキューブリックの映画の有名なシークエンスを再現している)それはそれで微笑ましいのだが、まあ、どうでもいい出来だし、インタビュー自体も『A Life in Picture』がリリースされた今、さして貴重だとは思えない。

ただ、問題なのは、こんな粗末な番組をDVD化し、さもキューブリックの貴重な映像が見られるかのごとくパッケージし、DVDBOXとリリース時期を合わせてまで店頭に並べたパイオニアの見識だ。これは明らかに便乗商法でしかない。ちょっと怪しいかなとは思ったが、個人的にはシンパシーを持っていたパイオニアが販売元だったため購入したが、結果は金をドブに棄てただけだった。一流メーカーであるパイオニアも地に落ちたものだ。猛省を望みたい。

 


 

 

20世紀の巨匠 スタンリー・キューブリック STANLEY AND US
2001年8月24日発売
PIBF-7215 \3,800(税抜)
製作:1999年 イタリア/RAI
スタッフ:フェデリコ・グレコ/ステファーノ・ライディーニ/マウロ・ディ・フラビアーノ 他

完全主義者、完璧主義者、妥協しない、徹底的にこだわる、頑固者監督といえば、これはもうスタンリー・キューブリックしかいない。SF映画の金字塔(ところで、この金字塔ってピラミッドのことだって知ってました?)『2001年宇宙の旅』もワールド・プレミアのときは160分もあったことは有名ですね(ちなみに現在見られるDVDは148分版)。『シャイニング』も最初に日本で公開されたバージョンは120分のインターナショナル版で、のちにビデオ発売されたときにアメリカ公開の145分版になったけれど、実はこの『シャイニング』にもさらに長いワールド・プレミア・バージョンがあったりすることはあまり知られていない。このバージョン、冒頭に精神病院を退院するジャックのシーンなどがあったらしく、最初から精神に異常をきたしているように見えると言われたジャック・ニコルソンの演技も、このバージョンだと納得がいくらしい(つまり完治していなかった!?)。キューブリック・ファンならずとも見てみたいこのバージョンだが、キューブリックの親友だった某大学教授が保存していて、授業の教材としてときどき上映しているらしい。見てみたいぞ! キューブリックの完全主義ぶりがよくわかるのがこの『シャイニング』で、とてもセットには見えないオーバールック・ホテルの内部(窓からこぼれる陽射しもすべてライト!)も驚異的だが(そういえば『フルメタル・ジャケット』のベトナムもすべてイギリスに作ったセットで撮ったんでしたっけね)、ジャック・ニコルソンの演技も40~50テイクは当たり前で、フィルムも死ぬほど回った(遺作『アイズ・ワイド・シャット』でもなかなかOKが出ず、ニコル・キッドマンも完成しないんじゃないかと思ったらしい)。そんなこんなで最終的に劇場公開版で残ったのは、回ったフィルムのたったの1パーセントだったとか・・・。
キューブリックのこだわりはなんと日本語字幕にも及んでいる。4文字言葉連発の『フルメタル・ジャケット』はそれこそ、この4文字言葉が命だったりするわけで、この言葉がきちんと日本語に直されているかにキューブリックはこだわった。そこでキューブリックがやったのは、日本語字幕の台本を英語に直訳させてチェックするという荒技。で、常識ある翻訳がされた最初の日本語字幕はあえなくボツとなり、映画監督の原田眞人が作ったものが採用された。
徹底した管理はまだまだあって、宣材として使う写真もネガはキューブリック自身が管理し、どの雑誌にどんな内容で使うかを申請してプリントをイギリスから送らせることもあったらしい。イギリスから遠く離れた極東の小さなニッポンまで目は届かないだろうと思ってはいけない。なんとキューブリックの信頼のおけるチェックマンが3人いて、ちゃんと報告していたらしい。ここまで徹底していれば、もう賞賛するしかない。自分の映画を大切にすればこそか・・・!?